平成27年度施政方針
ページ番号1007540 更新日 令和3年3月5日 印刷
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はじめに
今議会に提案いたしました平成27年度当初予算をはじめ、諸議案のご審議をお願いするにあたり、所信の一端を申し述べさせていただきます。議員各位並びに市民の皆様方のご理解ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
さて、社会情勢はめまぐるしく変化していますが、変化が起こる時は様々なチャンスが生まれる時でもあります。犬山市は、地域資源・交通アクセス・市民力などの点で大きな潜在力があり、これを知恵と工夫でもっと活かすことにより、ピンチをチャンスに変え、この犬山を更に伸ばすことは十分可能と考えます。
それには、既成概念にとらわれず、事なかれ主義から脱却し、柔軟な発想と創造性が求められます。こうした感覚を市役所の組織風土の中に根付かせ、思考と行動に積極的な姿勢を持ち、チーム力を発揮できる組織体へと進化させていきたいと考えます。
今後のまちづくりの方向性としては、私が昨年の市長選挙で示した『産業が栄え、幸福が実感できる犬山へ』という大きな目標の下、産業振興、行財政改革、人口減少対策に取り組みながら、医療・介護・福祉・子育て・教育など、市民目線に立った住民サービスの充実を図り、住民幸福度を高め、プラスの循環を生み出していきたいと考えます。
こうした点を踏まえ、平成27年度当初予算については、市長就任から予算編成までの時間が限られていたこともあり、骨格的な予算とさせていただきましたが、今後の展開も見据えながら、まず予算の全体像をご説明申し上げた上で、その主要施策について、私が選挙で掲げた項目に沿ってご説明申し上げます。
平成27年度当初予算について
平成27年度当初予算の全体像については、骨格的予算ではあるものの、予算規模は、一般会計で239億311万5千円となり、対前年度比6億207万5千円、2.6%の増となりました。
その要因といたしましては、
(1) 大型プロジェクト事業である新体育館建設事業や内田防災公園関連事業予算を計上していること
(2) 政策的判断を要する予算については6月補正以降対応する こと
としましたが、まずは、行財政運営が滞ることのないよう当初予算より対応をしたことがあげられます。
また、特別会計及び水道事業会計を合わせた全会計の総額は、426億7,290万円となり、対前年度比4.6%、18億6,871万6千円の増となりました。
一般会計のうち歳入につきましては、その多くを占める市税収入については、個人市民税は前年度と比較2,261万7千円減額で39億5,501万4千円を、法人市民税は、前年度と比較し7,116万3千円増額で、9億164万3千円を計上し、その他諸税とあわせて、市税全体では、前年度と概ね同額である110億6,553万2千円を見込んでおります。
地方交付税につきましては、国の平成27年度地方財政計画においても前年度と比較し0.1兆円減額とされ、当市におきましても、近年の市税収入の推移や、普通交付税交付状況から、対前年度比19.7%減で、10億6,000万円を計上しました。
市債につきましては、対前年度比7.2%増で、22億5,280万円を計上しました。
そのうち、普通債につきましては、主に、昨年度に引き続き大型主要事業である新体育館建設事業や、内田防災公園関連事業にかかるものなどで、15億2,280万円を計上しました。
制度債である臨時財政対策債については、地方交付税同様、国においても発行が大幅に抑制されることから、今年度の発行状況を踏まえ、対前年度比43.8%減で7億3,000万円を計上しました。
借金抑制を目指すべきところで、このような状況となったことについては、忸怩たる思いを感じております。この点については、今後の市政運営の中で改善に向け努力してまいります。
普通交付税をはじめとする歳入の減額に伴う財源不足の対応については、財政調整基金からの繰入金や、前年度繰越金の一部を計上することで予算編成を図りました。
歳出につきましては、予算科目の款別で、全体の構成割合の高い順では、民生費で構成比35.1% 83億9,369万8千円を、次に土木費で構成比19.4% 46億3,235万円、次に教育費で構成比10.3% 24億5,319万8千円を計上いたしました。
基本的な考え方として、市民の皆様に対して十分な説明のないまま不利益を与えたり、市民サービスを低下させないこと、行政内部の経常的な経費については改めてより効率化を図るよう指示しました。また、予算執行の段階において、事業の見直し等の可能性も考えています。
主要施策について
続きまして主要施策を項目ごとにご説明申し上げます。
地域経済の活性化
1点目は、『地域経済の活性化』です。
商工企業振興施策についてでありますが、産業振興による地域経済活性化を図っていくため、新たに進出いただいた企業や設備投資などを行った企業に対しまして一定条件の下、助成を実施してまいります。
新たな工業団地の造成計画につきましては、地域雇用の創出、自主財源の確保に向けて、塔野地田口洞地区におきまして、愛知県企業庁と引き続き連携を図り、実現に向けた動きを積極的に進めてまいります。
また、幹線道路沿いへの商業立地促進を目指し、総合計画の見直しに向けた検討に着手します。
中小企業者に対する経済対策は、小規模企業等振興資金融資事業などの資金融資を受けた事業者に、信用保証料や利子補給の一部を平成27年度も継続して助成してまいります。
農業施策については、高齢化等により意欲が低下傾向にある中、将来農業で生計が立てられるよう、まず、やる気のある農家の育成や支援策の充実に向けて検討してまいります。
今井開拓パイロット地区については、地権者・地元の意向を聞きつつ、民間活力を生かした利活用のあり方を検討してまいります。
観光施策についてですが、平成19年春から実施している犬山キャンペーンも、春、夏、秋と定着してきており、犬山城の登閣者は、記録が残っている中で初めて50万人を突破しました。
一方、台風などの悪天候、増水などの影響により花火大会が中止になったり、木曽川うかいも若干の減少になりましたが、全体としては多くの施設が増加に転じて効果を出しています。
平成27年度では、引き続き犬山城や木曽川、桜、グルメなどの犬山市全体の魅力を十分に活かした企画や、吉本興業との連携による観光事業などに積極的に取り組み、関西地区を足がかりに「全国展開」と「通年誘客」に一層努めてまいります。
また訪日外国人が増加していることを受けて、外国人への観光誘客やおもてなしについても強化が必要であり、観光、商工がそれぞれに取り組んできた施策を一体的に展開するなど、近隣市町村、各観光協会、各商工会議所や犬山まちづくり株式会社などとも連携して、地域の経済力向上に努めてまいります。
生活者の安心確保
2点目は、『生活者の安心確保』です。
保健事業については、「健康市民づくり」をさらに進めるため、各種事業に取り組んでいきます。
健康診査事業では、従来の特定健診等の他、生活習慣病予備群である若年層を対象としたメニューの拡充を検討していきます。
予防接種事業では、感染症の発生予防やまん延防止のため接種率の向上に努め、がん検診事業においては、早期発見のため、検診の有効性の普及啓発、受診率の向上に努めるとともに、胃がんのリスク検診として新たにピロリ菌検査を実施します。
さらに、市民病院建設基金に替わる新しい基金を創設し、「健康づくり」と「予防医療」のさらなる充実に役立てていきます。
医療保険の分野におきましては、将来にわたり国民皆保険を堅持できるよう医療制度改革が行われるため、国と県等の動向を注視し、適切に対応してまいります。
国民健康保険制度は、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等を図るため、平成30年度より財政運営の責任主体が都道府県に移管される予定であり、その関連法案が、今国会に上程される予定です。
高齢者福祉、介護保険事業については、平成27年度から、「健康で生きがいのある長寿社会をめざして」を基本理念とし「第7次高齢者福祉計画」と「第6次介護保険事業計画」がスタートします。
高齢者福祉では、住み慣れた地域で、高齢者が健康で暮らすことができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの一環として、在宅医療と介護の連携、認知症の高齢者対策を推進してまいります。
介護保険事業では、特別養護老人ホームを100床増床し施設サービスの拡充を図りました。引き続き適切な介護サービスの提供ができるよう事業運営してまいります。
福祉関係事業としまして、障害者福祉は、「障害者総合支援法」に基づき、適切な給付及び窓口支援を行うとともに、障害のある人が安心して自立した生活を営むことができるよう、障害者の自立支援に向けたより専門的な相談支援体制の充実を図っていきます。
生活保護に至らない生活困窮者の就労や生活相談について、専門の相談員や関係機関と連携して指導・支援を行っていきます。
戦後70周年を迎えるにあたり、高齢化する遺族の経験や平和への願いを次世代に引き継ぐため、若年世代を巻き込んだ平和事業として戦没者追悼式を関係機関等と連携して進めていきます。
多様な市民活動の応援
3点目は、『多様な市民活動の応援』です。
市民生活や価値観の多様化、少子高齢化など社会構造が変化する中、公を担う上で、市民それぞれの社会的役割が重要視されています。地域の中で一人ひとりが生き生きと生活し、より多くの方が主体的に活動できる機会の創出に繋がる事業を実施していきます。
市民の自発的な公益活動を支援するため、市民活動団体からの企画提案事業に対する助成金と、小学校区を基本として組織されたコミュニティ推進協議会の活動に対する助成金も引き続き実施していきます。
城東、楽田、羽黒、東、犬山西、今井の各コミュニティに対する個別支援や活動拠点の確保のほか、多様な団体間における協力、連携を推進し、共通課題の解決や活動内容の強化も支援していきます。
また、当市の外国人人口は約1,700人おり、言葉の壁によって、コミュニケーションを図ることができず、お互いの考え方や習慣を理解することに問題を抱えています。
異なる言語や文化を持つ全ての市民が暮らしやすいまちとなるよう、外国人無料相談窓口事業の充実を図るとともに、安心した市民生活を送るために、コミュニティ通訳者を派遣するなど、外国人住民のコミュニケーションをサポートし、多文化共生のまちづくりに取り組んでいきます。
生涯学習事業については、「市民総合大学敬道館」、「子ども大学」、「ICT講習会」を三つの大きな柱として展開していきます。
また、ボランティア講師登録制度を活用し、市民の特技・知識・経験を貴重な人的財産として活かすことで、生きがいづくりの場の提供と、地域の人材育成を積極的に進めてまいります。
図書館においては、生涯学習活動の拠点施設となるよう図書資料の充実を図るとともに、学校図書館や名古屋経済大学の図書館とネットワークシステムにより連携を図っていきます。
市民文化会館、南部公民館については、市民の芸術文化活動の拠点となるよう、犬山市文化協会や犬山音楽文化協会と連携して事業を進めるとともに、「犬山まなびクラブ」の登録制度を開始し、市民の皆様の学びを応援していきます。
一方、歴史的文化遺産を活用した各種の事業についてですが、引き続き犬山祭の車山の保存修理を進めるとともに、地域で伝承されてきた祭りや神楽に対して、道具の保存修理や後継者育成に対する支援を目的に「民俗文化財保存伝承事業」を継続して行っていきます。
加えて、建造物の分野では、城下町の中に残る登録有形文化財建造物等の保存・修理に対する補助事業を行うとともに旧堀部家住宅の利活用を推進します。
また、文化史料館では、魅力的な展示ができるよう取り組みます。
埋蔵文化財の分野では、犬山城の国史跡指定を目指し、犬山城総合調査報告書を作成します。また、国宝天守については、耐震診断などの調査成果をもとに、大規模修理に向けた修理基本計画を策定します。東之宮古墳では、史跡整備に向けて基本設計に取り掛かる予定です。
次に、スポーツ事業については、平成28年4月末の新体育館完成に向け着実に事業を推進してまいります。また、新体育館周辺の外構工事を含めた園地整備工事や羽黒中央公園の周辺アクセス道路の拡幅整備についても同時に進めてまいります。
また、運営方法について検討してまいります。
次世代育成
4点目は、『次世代育成』です。
「子ども・子育て支援新制度」が平成27年度から始まります。
これに対応するため、「犬山市子ども・子育て会議」を設置しました。
平成27年度から平成31年度までの5か年を1期とした「犬山市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、今後は、子ども未来園や児童クラブを中心とした子育て支援策は、この計画に基づき進めてまいります。
少子化が進む中にあっても、産休・育休明けを理由とした未満児保育のニーズは、年々増加傾向にあります。こうしたニーズに応えられる体制づくりに努めてまいります。
新制度移行後も、保育事業をはじめとした各種子育て支援策の維持・向上を図りたいと考えています。
児童館・児童センターを中心に開設している放課後児童クラブは、16クラブ中4クラブを小学校内で実施しています。今後、小学校の余裕教室等での実施が拡大できるよう教育委員会と協議を進めてまいります。
今年度は、公民館で実施している犬山西第2児童クラブを、犬山西小学校内で実施するため整備いたします。
また、子ども医療費助成制度の受給者のうち、小学校4年生から高校3年生までの対象者について、平成27年4月診療分から、犬山市を含む2市2町の医療機関等への医療費自己負担分の支払い方法が、「償還払い」から「現物給付」に変更されます。
今後は、平成27年度の実績及び市財政状況等を分析し、拡充する方向で実施時期や対象範囲等を検討し、平成27年度中には明確にしていきます。
教育については、新しい教育委員会制度がスタートすることを受け、当市でも総合教育会議を設置し、教育に関する大綱や仮称「教育基本条例」の策定など、教育委員会と十分に意思疎通を図りながら、協議を進めてまいります。
学校教育については、学校・家庭・地域・行政が連携を深め、子どもたちが安心して学べる場を作らなければなりません。また、新しい時代の要請に応え、子どもたちを健やかに育てることも責務です。
こうした方針の下、これまで進めてきた様々な取り組みや学校の抱える課題等を検証し、市として適切に対処してまいります。
学級編制については、国や県の加配教員に加えて、特に小学校では市費の常勤講師を配置し、30人程度の少人数学級を目指します。
また、県費の講師だけでなく、市費の非常勤講師を配置し、算数・数学、理科、英語などできめ細かな学習の指導や支援に努めるとともに、小中学校に特別支援教育支援員を配置して、学習や生活で困難さのある子どもたちの支援を行います。
学校施設の整備では、犬山南小学校と南部中学校の体育館について、子どもたちの安全の確保はもとより、被災時に避難所として使えなくなる事態を防ぐため、吊り天井などの落下防止対策工事を施工します。
各中学校の音楽室には、熱中症、暑さ対策のため、エアコンを設置します。
また、引き続き楽田小学校体育館や北舎の改築に向けた基本構想の策定を進めてまいります。
懸案事項の解決
5点目は、『懸案事項の解決』です。
江南市、扶桑町、大口町との2市2町で共同建設を目指している広域ごみ処理施設については、協力して建設候補地の扶桑町側の地元からも文書で同意が得られるように努め、早期に新ごみ処理施設建設計画が進むよう引き続き取り組んでまいります。
一方で、都市美化センターについては、新ごみ処理施設が稼働するまでの間は使用していくことになるため、延命に必要な補修工事を効率的に施工していきます。
循環型社会の構築のためには、市民一人ひとりの環境意識の向上、その持続が望まれます。
その一環として、市民の皆さまには、ごみの分別排出をお願いしていますが、現行の18分別実施から早10年が過ぎようとしています。今後もごみの減量、リサイクルの推進について啓発するとともに、可燃ごみの午前中回収を始めとした適正なごみ処理を継続してまいります。
また、今井切塞の一般廃棄物最終処分場の跡地について、多目的広場として利用できるよう整備を行い、地元の長年の要望に応えられるよう進めてまいります。
もみの木駐車場進入道路については、利用者の利便性が図られるよう、待避所の設置に向けて山側の測量調査と詳細設計を行います。その後、地元関係者等との協議や財源の調整が整えば、補正予算対応による年度内整備を目指していきます。
前原台団地の集中浄化槽老朽化問題については、早期解決のために、今後の公共下水道整備スケジュールの具体化に向け、地元の皆様と協議しながら、検討を進めてまいります。
自然資源の活用
6点目は、『自然資源の活用』です。
当市は数多くの地域資源に恵まれており、その一つが清流木曽川です。この地域資源である木曽川の河川空間を活かしたまちづくりを進め、当市の求心力を高めていくことは、今後のまちづくりにおいて非常に重要なポイントとなります。昨年からは国の関係部局との勉強会も始めており、国営木曽三川公園としての拠点整備を国へ働きかけていくとともに、「かわまちづくり支援制度」などの活用についても検討を進めてまいります。
また、里山学センターでは、市民が自然環境に興味と関心を抱き有為な人材として育つことを目指して各種の講座や環境学習を実施してまいります。
市の花である「さくら」を後世の時代に引き継ぐために、植樹や管理に携わるボランティアの育成、桜並木の手入れに取り組んでいきます。
「さくらねっと・うぉーく」の重要路線である羽黒地区の五条川左岸堤防を利用したウォーキングトレイル事業は、平成26年度、朝日橋から羽黒吹上地区水管橋までの区間での整備が完了し、平成27年度以降は、その水管橋より上流の区間について引き続き整備をしてまいります。
福島第一原子力発電施設の被災は、社会的な節電の高まりとともに日本のエネルギー政策について見直すきっかけとなりました。このような中で、市では、第2次地球温暖化対策実行計画に基づき、引き続き取り組んでまいります。
住宅や事業所における緑のカーテンの普及、また建物の壁面や生垣の緑化推進、さらにエネルギーの地産地消を推進するため、公共施設の屋根で太陽光発電システムを設置するとともに、個人住宅における太陽光発電システム普及を支援するなど環境負担の少ない地域づくりに取り組んでまいります。
定住人口維持
7点目は、『定住人口維持』です。
国の地方創生の動きに呼応して、平成27年度中に「犬山版」総合戦略を策定し、人口減少・地域経済縮小の克服に向けた取り組みを進めます。
平成26年秋の臨時国会で「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されました。これにより空家の所有者等の調査や保安上危険のある空家等に対する措置が可能になります。
この法律の施行を受け、平成27年度は、空家の実態調査や、措置の内容、利活用の方向性などを定めた空家等対策計画の策定を進め、国の支援制度を活用して空家の適正管理に努めてまいります。
同時に、定住人口を維持していくための施策として、建物が空家化することを未然に防止することにもつながる住宅リフォーム補助や空家の利活用を促進する空家バンク制度についても、調査・研究を進めてまいります。
その他住宅施策の実施などにより、定住・移住希望者の受け皿を確保しつつ、犬山市が「選ばれる自治体」となるために、効果的なシティプロモーション戦略の検討に着手します。
市街化区域内の低未利用地となっておりました五郎丸地区の暫定用途地域につきましては、平成27年度の早い段階で、その制限が解除できる見込みです。今後は良好な住環境の形成と低未利用地の有効活用を進め、定住促進を図っていくため、平成27年度は、道路の路線測量を実施してまいります。
継続した生活基盤の整備については、幹線道路である「富岡荒井線」、「犬山富士線」を引き続き最重点整備路線と位置づけ、整備を進めてまいります。
「富岡荒井線」については、平成26年度から楽田今村地内の道路整備工事を進めており、平成27年度以降引き続き用地取得に向け交渉を行い、県道大県神社線までの区間が整備できるよう努力してまいります。
「犬山富士線」は、平成25年度に上野工区の名鉄犬山線との立体交差事業が完成し、国道41号から犬山城下町地区へのアクセスが容易になりました。平成26年度からは四日市交差点からライン大橋までの区間について、安全に通行できるよう整備をしてまいります。
一方、生活道路の道路拡幅改良につきましても早期整備に努め、基盤整備や生活環境の改善に取り組んでまいります。
雨水等による冠水対策としては、後ほど述べさせていただく内田地区の防災公園街区のほか、村田機械東側の冠水対策も、国、県、扶桑町との協議を進め、被害の軽減が図られるよう整備を進め、住環境の改善を図ります。
賢い都市経営
8点目は、『賢い都市経営』です。
平成26年度から行財政改革の一環として取り組んでいる公共施設総合設備管理業務一括委託につきましては、平成27年度は「国際観光センター」「市民健康館」「市民文化会館」「福祉会館」の4施設に、新たに「図書館」を加えた5施設の設備管理を一括で、長期継続契約として委託することにより、引き続き、スケールメリットなどによるコスト削減と予防保全型の施設管理を進めてまいります。
また、道路台帳デジタル化業務について、平成26年度にプロポーザルによる受託者を決定し、業務を開始したところであり、現在管理している紙ベースの道路台帳からデジタルデータに管理移行していきます。
デジタル化を行うことで、道路図面と道路関連情報が一元管理でき、また、犬山市統合型GISとの連携を図り、全庁的な利用が可能になるとともに、窓口対応の迅速化、更新費用低減を図ることができ、平成28年度の本稼動を目指します。
人材育成のツールとしてこれまで進めてきた人事評価制度は、法制化により地方自治体に義務づけられましたが、形式的なものではなく、より効果的に人材育成につながる制度として熟度を高めるとともに職員同士が認め合い、チームとして課題に取り組んでいくための制度にしてまいります。また、現在進めている予算・決算と連動した行政評価を進め、事務の効率化と評価結果により迅速な見直しができる改善を図ってまいります。
機構・組織については、細分化に伴い肥大化した部署の統合や業務の見直しにより、各施策をよりスムーズに事業展開できるようスリム化に向け、現行組織の課題の洗い出しや効率的な人員配置などを検証したうえで、平成27年度中あるいは平成28年度当初からの機構改革を考えています。
現在の再任用制度は、年金制度改革と高齢者雇用制度の仕組みの中で、定年退職者の雇用確保を行っており、平成27年度は改めて再任用職場の業務の精査を行い、希望職員の経験やノウハウをより発揮できる職場とその他職場を分類し、平成28年度からの任用形態を見直していきます。また、希望職員の勤務実績が良好であることが前提であることも重視していきます。
情報管理の分野では、昨年度末で再構築事業を完了した新しい基幹系システムの円滑な運用に努めるとともに、社会保障・税番号(マイ・ナンバー)制度や介護保険抜本改正などへのシステム対応に努めてまいります。このマイナンバー制度は、平成27年10月の個人番号(マイナンバー)通知を皮切りに、平成28年1月には個人番号カードの交付を開始します。
マイナンバー制度導入により、順次、行政事務の効率化や各種手続きの簡素化が図られ、市民の利便性が向上するものと考えています。
一方、自主財源の確保は、厳しい財政状況を考えると重要な課題であります。従いまして、市民の皆様に公平公正な税負担をお願いするとともに、公有財産の有効活用、各種広告収入の確保などにはこれまでどおり取り組んでまいります。なお、全国的に話題となっている「ふるさと寄付金」については、国も制度の拡充を検討しており、当市の魅力ある施策に全国の方からご賛同いただけるよう、平成27年度中に積極的な取り組みをしてまいりたいと思っています。
その他
最後にその他としまして、
阪神・淡路大震災から20年が経過し、東日本大震災から4年が経過しようとしています。この地域では南海トラフの巨大地震の発生が懸念されています。また、毎年のように全国で発生している土砂災害、さらには、巨大台風の発生なども懸念され、安全・安心なまちづくりは、行政の最重点課題のひとつであり、防災・減災対策の充実に努めていきます。
平成25年度から、避難所や広域避難場所への防災備蓄倉庫設置と備蓄品の充実に努めており、平成27年度は2か所に倉庫の設置を予定しています。
また、平成24年11月から開始した家具等転倒防止器具取付支援事業についても、器具の有効性について、市民の皆様に周知を図り、事業を継続してまいります。
無料の耐震診断や耐震改修補助につきましては、これまで同様進めてまいりますが、平成27年度からは、高齢者や障がい者が居住する世帯を対象として、比較的安価に耐震対策を行うことができる耐震シェルター設置工事に対する助成も、新たに補助制度に加えて実施してまいります。
災害に強いまちづくりを進めるには、市民の自助・共助は不可欠であり、防災啓発や実践的な訓練の実施に努めてまいります。
平成26年4月に防災公園街区整備事業により、都市再生機構が名証不動産株式会社より取得した旧名証犬山綜合運動場につきましては、いよいよ平成27年度より整備に着手してまいります。平成27年度は、多目的広場の用地の買い戻しを進めるとともに、地域から要望の強い雨水浸水対策として、雨水地下貯留施設及び排水路と併せてアクセス道路の整備を進めてまいります。
市内に150ある農業用ため池の耐震対策も継続していきます。
平成26年度までに県事業において耐震調査が61池完了しており、耐震調査が必要な池についての調査を県と共同で進めていきます。調査が完了した池のうち耐震対策が必要と判断された池は15池で、うち3池については対策が完了しており、今後新たに対策が必要と判断される池を含め、順次対策を進めていきます。
消防行政では、様々な災害に対応できるよう資機材の充実を図るとともに、消防職員の専門的な教育を行い、資質向上に努めていきます。
救急業務では、AEDやエピペンなど救命に関わるものの講習会を開催し、応急手当の普及を推進していきます。
消防通信指令の共同化では、犬山市、江南市、小牧市、岩倉市、丹羽広域事務組合(扶桑町、大口町)、西春日井広域事務組合(清須市、北名古屋市、豊山町)の6消防本部が共同で、平成28年の運用開始に向け、整備を進めていきます。
火災予防対策として、一般住宅や事業所及び危険物施設の防火対策指導に努めます。また、市東部地区の善師野台が住宅防火推進地域として指定3年目となり、防火意識の維持とともに継続して総合訓練も行います。引き続き住宅用火災警報器の設置と普及を図っていきます。
交通安全・防犯については、犬山警察署と連携を図りながら、土木常設員、町会長の皆様からの要望を中心に、カーブミラーや交通安全・防犯などの啓発看板の設置などに努めてまいります。
また、消費者行政につきましても、引き続き市民の安心・安全のため、体制の充実・強化に取り組んでまいります。
コミュニティバスの運行につきましては、平成25年11月から車両を3台増車し、5台による新体制での運行を開始したところ、利用者は月6千人台となり、以前に比べ2倍以上に増加しました。外出の機会が増えることは、豊かな市民生活につながるものと認識していますし、多くの方に利用していただくことが事業の継続にもつながりますので、引き続き市民への周知と利便性の向上に努めてまいります。
水道事業については、市内に張り巡らされた水道管の耐震化を図りながら、布設替工事を継続的に実施していくとともに、浄配水施設においては、経過年数などに応じて、機械装置の取替を行い、また、施設の長寿命化が図られるよう、必要に応じた修繕を実施してまいります。
犬山配水場においては、平成19年度から順次設備の更新を実施していますが、平成27年度においては、引き続き施設内配管などの耐震化工事を行ってまいります。
公共下水道事業では、市街化区域である五条川右岸処理区域の上野、上坂町、第1名犬ハイツ地区の整備を進め、平成26年度末までに258ヘクタールのうち、48パーセントの123.8ヘクタールの整備が完了します。これにより、五条川左岸、右岸両処理区を併せた人口普及率は62.4パーセントになります。
平成27年度は、地産団地地区及びコープタウン犬山地区の整備を進めてまいります。
次に、平成25年度に策定した下水道総合地震対策計画に基づき、マンホールトイレシステムを東小学校に設置及び、緊急輸送路に埋設されている汚水管きょに可とう継手を設置する耐震工事も昨年度に続き進めてまいります。
また、人孔蓋長寿命化計画による人孔蓋の取替も、引き続き長者町団地地区にて進めてまいります。
終わりに
以上、平成27年度の予算規模、並びに施政に臨む私の施策について述べてまいりました。
平成27年度においては、犬山市政全般に対して、多角的な視点で総点検をしていく年にしたいと考えます。各種事業や市役所機構など、現場の把握も含めて、目的・手法・効果をしっかり検証し、的確な行財政改革を進めてまいります。
また、変化ばかりではなく、「健康市民づくり」など、これまでの市政の良いところを伸ばしていくことも重要です。そして、様々な政策を進める上では、積極的な情報公開を進め、市民参加の促進や、議会・行政内部との丁寧な議論の積み重ねなど、政策を形成する過程を充実させてまいります。
より良いものを築き上げていくためには、何事も失敗を恐れず、まず一歩を踏み出すことが大事です。理想を100とすれば、0と100との間は果てしなく遠いものですが、1と100との間は意外と近いものです。『産業が栄え、幸福が実感できる犬山』を目指し、夢と希望あふれる新時代に向けて、この平成27年度が大きな一歩となるよう、全力で頑張ってまいります。
議員各位をはじめ、市民の皆様方のご理解ご協力を改めてお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。
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