平成28年度施政方針
ページ番号1003339 更新日 平成28年12月21日 印刷
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はじめに
今議会に提案いたしました平成28年度当初予算をはじめ、諸議案のご審議をお願いするにあたり、所信の一端を申し述べさせていただきます。議員各位並びに市民の皆さんのご理解ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、私が市長に就任させていただき、早くも1年が経過いたしました。新市政がスタートし、市民の皆さんに「犬山が良くなってきた」と実感していただくためには、市長選でお示しした政策の実現はもちろん、市政全般の舵取りの中で、行動と結果を積み重ねることに尽きます。その行動と結果への評価が実感の度合いを左右します。
8つの重点項目
『産業が栄え 幸福が実感できる犬山へ』というまちづくりの方向性を踏まえ、まさに行動と結果を示すという意味で、平成28年度予算案の編成を進めさせていただきました。編成にあたっては、昨年9月に私の選挙公約に沿った重点項目を8つ設定し、編成方針を示して臨みました。具体的には、
- 定住人口の増加を目指すための総合計画の見直し、地方創生にかかる事業の推進
- 子ども医療費の拡充などの子育て支援
- 学校施設環境の改善
- 安全安心のまちづくりの推進
- 産業の振興
- 懸案事項の解決
- ファシリティマネジメントの推進
- ふるさと犬山応援寄付金をはじめとした財源確保
の8点です。
また、「全庁的な一層の努力と工夫のもと、現在の住民サービスの水準を堅持しながらの予算編成」を掲げると共に、近年増加の一途を辿っていた市債に歯止めをかけるべく、制度債である臨時財政対策債を含めた市債全体の発行額を返済額以内に抑制しました。
こうした点を踏まえ、平成28年度当初予算について、まず予算の全体像をご説明申し上げた上で、その主要施策について、私が選挙で掲げた項目に沿ってご説明申し上げます。
平成28年度当初予算全体像
平成28年度当初予算の全体像については、規模といたしまして、
一般会計では、231億2,277万9千円となり、対前年度比7億8,033万6千円、3.3%の減少で、特別会計と水道事業会計を合わせた全会計の総額は、422億6,631万1千円となり、対前年度比で4億658万9千円、1%の減少となりました。
一般会計のうち歳入につきましては、個人市民税では、前年度と比較して1億3,275万2千円の増額となる40億8,776万6千円を計上する一方で、法人市民税は、前年度と比較して1億5,856万1千円の減額となる7億4,308万2千円となり、その他諸税を合わせた市税全体では、前年度と概ね同額となる110億9,749万3千円を見込んでおります。
地方交付税につきましては、国の地方財政計画では前年度と比較して0.3%の減額が示されていますが、当市におきましては、近年の普通交付税の交付状況を基に、市税の決算の推移や他の交付金の見込みなどから、対前年度比27.4%の増額となる13億5,000万円を計上いたしました。
市債につきましては、先に申し上げましたとおり、厳格にその発行を抑制し、対前年度比31.3%の大幅な減額となる15億4,780万円に止め、事業債につきましては、羽黒中央公園や防災公園街区に係るものなど最低限の事業に精査して7億4,780万円とし、臨時財政対策債につきましては、国の計画や近年の状況から、対前年度比9.6%の増加となる8億円を計上いたしました。
また、編成方針の重点項目であるふるさと犬山応援寄附金につきましては、平成27年9月の本格実施以来、皆さん方のセールスもあり、有り難いことに2度の増額補正を行うなど好調な滑り出しとなっていることから、1億円の収入を見込んでおります。
なお、歳入と歳出の乖離である財源不足分につきましては、財政調整基金からの繰入金により補塡いたしました。財政の健全化という観点からすれば忸怩たる思いを感じざるを得ませんが、何よりも住民サービスの堅持を優先した結果であるとご理解ください。
また、歳出につきましては、予算科目の款別で構成割合の高い順に、民生費が構成比36.4%で、84億2,740万4千円、土木費が構成比15.5%で、35億8,953万8千円、教育費が構成比11.8%で、27億3,099万2千円と続くほか、議会からのご指摘等も踏まえて流用の処理を見直すため、予備費として3,000万円を計上いたしました。
選挙公約の各項目について
続きまして選挙公約の項目ごとにご説明申し上げます。
1点目は、『地域経済の活性化』です。
商工企業振興施策についてでありますが、産業振興による地域経済活性化を図っていくため、様々な施策を戦略的に推進してまいります。
まず、新たな工業団地の造成計画につきましては、地域雇用の創出、自主財源の確保に向け、塔野地田口洞地区におきまして、愛知県企業庁と引き続き連携を深め、実現に向けた動きをさらに加速させてまいります。
新たに進出いただいた企業や設備投資などを行った企業に対しまして一定条件の下、平成28年度も継続して助成を実施してまいります。
新たな取り組みとしましては、市内の幹線道路のうち、いくつかの路線を「商業集積ライン」とし、道路沿いへの商業系施設の誘致にチャレンジしてまいります。
また、起業者の育成、創業がしやすい環境づくりとしまして、創業支援事業計画に基づき、起業者にとって身近な支援体制を整備し、地域における創業を支援してまいります。
農業施策につきましては、公益社団法人犬山市シルバー人材センターと連携し、農業従事者への農作業支援や人材センターによる農園事業の実施体制を整えてまいります。
また、「農業振興地域整備計画」の見直しに向け、農業振興地域に係る土地利用その他の現況及び将来見通しについての基礎調査を行います。
平成27年度の農業委員会等に関する法律の改正に合わせ、担い手への農地利用集積や耕作放棄地の発生防止・解消を強力に進めてまいります。
観光施策についてですが、平成28年度も、引き続き犬山城や木曽川、桜や紅葉、グルメや笑いなど、犬山市全体の魅力を活かした企画に積極的に取り組み、「全国展開」と「通年誘客」に一層努めてまいります。
また訪日外国人が増加していることを受け、外国人への観光誘客やおもてなしについても関係機関との連携強化に努めてまいります。
2点目は、『生活者の安心確保』です。
保健事業につきましては、「健康市民づくり」をさらに進めるため、各種事業に取り組んでまいります。
健康診査事業では、生活習慣病予備軍である若年層を対象に受診率の向上に努めます。具体的には、成人歯科検診において対象年齢の引き下げを行い、30、40、50、60、70歳の節目において個別通知と検診を無料で実施いたします。
予防接種事業では、感染症の発生予防やまん延防止のため接種率の向上に努め、がん検診事業においては、早期発見のため、検診の有効性の普及啓発、受診率の向上に努めるとともに、胃がんのリスク検診としてピロリ菌検査を継続いたします。
さらに、健康市民づくり基金を活用して、犬山健康チャレンジ(けんけんチャレンジ)を新設し、主体的に健康づくりに取り組む市民を応援してまいります。
国民健康保険制度では、財政を安定化させ、効率的な事業を行なうこと等を目的として、都道府県が財政運営の責任主体となり中心的な役割を担う広域化が、平成30年度より実施されます。
平成28年度は、円滑に広域化へ移管できるよう、国・県等の動向を注視し情報収集に努めてまいります。
高齢者福祉、介護保険事業については、平成28年度が「第7次高齢者福祉計画」、「第6次介護保険事業計画」の2年目となり、平成29年度からの新総合事業に向けた移行準備を進めてまいります。
加えて、平成30年度からの新たな計画策定のため、高齢者及び介護サービス利用者へアンケート調査を実施し、ニーズの把握を行ってまいります。
また、築40年の養護老人ホームについて、民営化に向けて平成28年度は公募の準備を進めてまいります。
福祉関係事業といたしまして、障がい者福祉につきましては、平成28年4月から施行される「障がい者差別解消法」により、障がいのある方への「合理的配慮」が官公庁に対しては義務化されます。日常生活や市の手続き等を行う上で、当たり前の配慮がなされ、障がいの有無によって差別されることのない環境づくりを進めてまいります。
平成27年度から開始されている生活困窮者の就労や生活相談については、ハローワーク等関係機関との連携を密にして、生活保護に至る前の支援を行ってまいります。
3点目は、『多様な市民活動の応援』です。
市民活動団体からの企画提案事業に対する助成金と、小学校区を基本として組織されたコミュニティ推進協議会の活動に対する助成金も、必要に応じて見直しを行いながら引き続き実施いたします。
各コミュニティ活動に寄り添った個別支援やファシリティマネジメントによる公共施設を活用した活動拠点の確保のほか、まちづくりに関する基本的なルール制定に向け、多様な団体との連携を整理、推進し、さらに魅力ある地域づくりを実現してまいります。
男女共同参画の推進として、平成28年度も、男女共同参画社会の実現に向け普及啓発活動などを実施するとともに、今年度制定された「女性活躍推進法」に基づき、商工会議所と連携を図り、女性の活躍推進に係る相談や情報提供等に努めてまいります。
当市では、約1,800人の外国人の方が生活しています。異なる言語や文化を持つ全ての市民が暮らしやすいまちとなるよう、多言語による情報紙の発行や外国人無料相談窓口事業の充実を図るとともに、安心した市民生活を送るために、コミュニティ通訳者を派遣し、外国人住民のコミュニケーションをサポートしてまいります。
また、町内会等が所有する集会場等の新築、増築などに係る補助率について平成28年度から見直しを行ってまいります。こうした施設は、市民の最も身近で地域の様々な行事の場に加え、いざという時の防災拠点としての重要な役割も果たすものです。現在、当市は、愛知県内の市町村において最低水準であり、これを引き上げることで、今後益々必要となる住民同士のつながりの強化、地域力を高めていただきたいと考えています。
生涯学習事業については、「市民総合大学敬道館」、「子ども大学」、「ICT講習会」を三本柱として展開していきます。
また、ボランティア講師登録制度を活用し、市民の特技・知識・経験を貴重な人的財産として活かすことで、生きがいづくりの場の提供と、地域の人材育成を積極的に進めてまいります。
図書館においては、生涯学習活動の拠点施設となるよう図書資料の充実を図るとともに、学校図書館とのネットワークシステム連携、また、名古屋経済大学図書館との連携を図ってまいります。
今年は愛知県において国民文化祭が開催されますので、市町村主催事業として市民展を開催し、市民の文化振興を図ってまいります。
一方、歴史まちづくりについてですが、平成28年度は、犬山祭をはじめとする全国33件の「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録される見込みであり、関係市町との連携による研修会の開催や登録趣旨のPRを通して伝統行事の伝承に向けた啓発の推進を図ります。また、文化財の保存修理技術を継承する職人の育成と犬山のからくり文化の普及のために、実行委員会を組織して「平成28年度祭屋台等製作修理技術者会研修会犬山大会」を開催いたします。
国宝犬山城天守については、修理基本計画をもとに、修理の規模及び耐震性向上のための構造補強に関する内容の検討を行います。
東之宮古墳では、史跡整備に向けて実施設計に着手し、関係者との協議を進めるとともに、整備後の活用方法について検討する取り組みを推進してまいります。
次に、スポーツ事業については、新体育館が、いよいよ、この4月末に完成し、7月9日にオープンします。オープニング記念として、市民の皆さんからご提案のあった健康づくりの盛り上がりが期待できる事業を1年を通して実施する予定です。
引き続き、駐車場整備や周辺アクセス道路の拡幅整備を進め、平成28年度末には、羽黒中央公園の全ての整備を完了する予定です。今後新体育館がスポーツ振興と健康づくりの拠点となり、幅広い世代にご利用いただける魅力ある施設となるよう運営してまいります。
4点目は、『次世代育成』です。
昨年度から「子ども・子育て支援新制度」が始まりました。
当市でも、「犬山市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、子ども未来園や児童クラブを中心とした子育て支援策を進めてまいります。
その一環として、ホームページや広報では、子育てに関する記事をまとめ、わかりやすい情報提供にも努めていきます。
また、障がい児保育では、対象児の園生活の充実を図るため、特定非営利活動法人法人との連携による補助員の配置を試行していきます。
なお、今後の子ども未来園の在り方については、より良い保育サービスの提供を目指して、検討を進めたいと考えています。
子ども医療費助成制度の受給者のうち、小学校4年生から中学校3年生までの対象者の助成について、平成28年4月診療分から、保険診療分の医療費自己負担分の「3分の2助成」から「全額助成」へ拡大いたします。
また、高校1年生から高校3年生までの保険診療分の医療費自己負担分の「3分の2助成」は、引き続き行ってまいります。
教育については、機構改革に伴い、乳幼児を含めた全ての子どもたちが、健全に成長していくための継続的・連続的な支援の充実に努めてまいります。
総合教育会議においても、こうした方針を踏まえつつ、教育委員会としっかり意思疎通を図りながら、教育に関する大綱や教育委員会基本条例の策定に向けた議論を深めてまいります。
学校教育については、授業改善の取り組みとして、県費の講師に加えて、市費の非常勤講師を配置し、算数・数学、理科、英語などできめ細かな学習の指導や支援に努めるとともに、各教科における授業づくりのノウハウを教職員が共有することでさらなる力量の向上を図ります。
学校施設の改修に関しては、校舎の屋根防水工事や体育館床の改修工事など、計画に沿って順次施工するとともに、重点的に予算措置をして、におい対策と便器の洋式化を進めるトイレ改修工事と、防火シャッターの改修工事に着手いたします。
また、楽田小学校体育館や北舎の改築について、今年度の基本構想の策定を受け、基本設計、実施設計に取り掛かるため、設計者を決定し事業を進めてまいります。なお、今後の大規模改修の進め方についても、平成28年度中に検討してまいります。
5点目は、『懸案事項の解決』です。
江南市、扶桑町、大口町との2市2町の広域で建設を目指している新ごみ処理施設については、3月末までに建設地を決める予定です。新年度以降は、建設地となる地元との対話を重ねながら、新施設の建設計画が早期に進められるよう所要事業の着手を進めてまいります。
他方、老朽化している都市美化センターについては、ごみ処理が停滞することのないよう要補修箇所を見極めつつ、適切な時期に工事を施工していきます。また、塔野地区との協定にかかるグラウンド建設については、現在、用地選定、事業内容、国庫補助の可能性等を検討しており、平成28年度中に方向性を示してまいります。
もみの木駐車場進入道路については、引き続き待避所が設置できるように取り組んでまいります。
前原台団地の公共下水道整備については、平成29年度の事業着手に向け、地元協議を進めてまいります。
6点目は、『自然資源の活用』です。
環境活動の拠点施設である犬山里山学センターは平成18年の開設から10周年の節目を迎えます。市民が自然環境に興味と関心を抱き有為な人材として育つことを目指し、引き続き各種の講座や環境学習を実施してまいります。
また、環境負担の少ない地域づくりを目指し、住宅や事業所における緑のカーテンの普及、住宅用太陽光発電システムに加え蓄電池設置への支援を行ってまいります。
さらに、公共施設の屋根を貸し出して太陽光発電システムを設置する、「公共施設屋根貸しによる太陽光発電事業」を行ってまいります。こうした事業を通して、エネルギーの地産地消の推進、再生可能エネルギーの普及拡大に努めてまいります。
また、市の花である「さくら」を後世の時代に引き継ぐために桜並木の保全と管理に携わるボランティアの育成に取り組んでまいります。
「さくらねっと・うぉーく」の重点路線である羽黒地区の五条川左岸堤防を利用したウォーキングトレイル事業は、平成27年度、羽黒吹上地区水管橋から薬師川に沿って上流約160mの区間での整備が完了し、平成28年度は、その上流の桜海道橋までの区間について健康市民づくりの一環として引き続き整備をしてまいります。
7点目は、『定住人口維持』です。
人口減少社会における当市の課題を克服するため、具体的な目標や取り組むべき重点事業を取りまとめた地方創生総合戦略の策定を進めています。「豊かさを実感できるまち」を実現するため、市民と行政が力を合わせ、着実に戦略を実施してまいりたいと考えています。
この総合戦略の推進とあわせまして、犬山市が目指すまちの将来像や土地利用の基本的な方向性を示し、中長期的な展望に立った市政運営の指針となる総合計画を平成28年度中に見直しいたします。
また、平成23年度から34年度を計画期間とする現在の都市計画マスタープランにつきましては、平成27年度下半期より中間見直しに着手しているところです。平成28年度は引き続き、上位計画である第5次総合計画の中間見直しと合わせて見直しを進め、平成28年度末の策定を目指してまいります。
次に、定住促進に向けた住宅関連施策についてですが、昨年7月から、定住促進の第1弾として、市内の親元へUターンする市外在住の子世帯の住宅取得などを支援する「ふるさと定住促進サポート事業」を開始しました。事業開始後、半年を経過しましたが、これまでに14世帯が本制度を活用して、市外から定住していただくことになっています。平成28年度は第2弾として、Uターンに加え、Iターン施策として、市外在住の市内在勤者にも支援の対象を拡充し、さらなる定住促進を図っていく予定であります。また、当市は、県内の他市町村に先駆け、空家の実態調査や空家対策計画の策定を進めています。定住促進の第3弾としては、この先行性を活かして、空き家バンクを創設し、効果的な空家の利活用の推進に取り組んでまいります。また、これとあわせ市内外に広く犬山市の魅力を発信するシティプロモーション事業にも積極的に取り組んでまいります。空家の適正管理や積極的な利活用について、犬山市シルバー人材センターや不動産・住宅などの関係団体との協力関係を構築していきたいと考えています。さらに、定住促進には、住環境の整備も重要な要素であります。狭隘道路問題の解決や未利用地の活用促進として、これまでも、県内の市町村にはない犬山市独自の制度として、所謂、セットバック部分を対象に、公共利用を前提とした非課税措置を行ってきましたが、さらに本制度を拡充して、門・塀・生垣をこれらの部分から移設する際の費用についても一部補助することといたします。これらの住宅関連施策については、まち全体の魅力づくりを前提に、様々な施策と複合的に連動させ、定住促進に向けた取り組みを加速させてまいります。
生活基盤となる幹線道路の整備については、「富岡荒井線」、「犬山富士線」を引き続き最重点整備路線と位置づけ、整備を進めてまいります。
「富岡荒井線」については、平成26年度から楽田今村地内の道路整備工事を進めており、平成28年度以降引き続き用地取得に向け交渉を行い、県道大県神社線までの区間が整備できるよう努力してまいります。
「犬山富士線」は、四日市交差点からライン大橋までの区間について、安全に通行できるよう引き続き整備をしてまいります。
一方、生活道路の道路拡幅改良につきましても整備促進を図り、基盤整備や生活環境の改善に取り組んでまいります。
新郷瀬川の改修に伴う市道橋について、平成28年度は、南外山橋及び半ノ木橋の下部工の工事を進めてまいります。
また、道路、橋梁の老朽化への対応として、今後も計画的な点検及び修繕を行い、安全な維持管理と予防保全に努めるために、市内で特に交通量の多い幹線道路の計画的な舗装修繕を行います。また、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、平成28年度は、富岡跨線橋の修繕工事を進めてまいります。
雨水等による冠水対策では、後ほど述べさせていただく内田地区の防災公園及び多目的広場内の貯留施設及び排水路の整備が完了し、残りの排水路についても順次整備を行い、同地区周辺における被害の軽減を図ってまいります。
また、村田機械南側の冠水対策については、国、県、扶桑町と協力し、今年度より公共下水道事業により雨水対策の工事に着手をし、被害の軽減が図られるよう整備を進めてまいります。
なお、羽黒新田・楽田西地区の工業団地周辺の雨水対策についても、順次検討を行ってまいります。
8点目は、『賢い都市経営』です。
「広報いぬやま」については、これまでの特定非営利活動法人法人による外部委託編集から、市職員が自ら編集し発行までを行う直営方式へと、編集体制の見直しを行います。
広報紙本来の目的である正しい行政情報をわかりやすく的確に伝達することを基本とし、ストーリー性があり、知る喜びが実感できる広報紙となるような紙面づくりに努めてまいります。
また、市公式ホームページについても、デザイン変更など全面的にリニューアルいたします。スマートフォンやタブレット端末などの利用を前提とし、誰もがわかりやすく使いやすいページ構成とするとともに、情報発信のスピードアップを図り、幅広い情報を市民の皆さんにお伝えいたします。
情報管理の分野では、本格的に動き出した社会保障・税番号制度について、国や県、市町村との情報連携に向けての準備を進めるとともに、情報セキュリティのより一層の強化をハード、ソフトの両面から進めてまいります。
また、更なるシステム管理費の削減に向け、江南市との基幹系システム共同化について、次の機器等の更新時期を見据えて取り組んでまいります。また、状況に応じて近隣市町の参画につきましても呼びかけてまいります。
平成28年度からの機構改革に合わせ、これまでの再任用制度の見直しを行い、各職場での再任用職員の配置の必要性と職務内容に応じて定年退職者の雇用形態を改め、必要な人員、人材を適材適所に配置することで、高齢者雇用の確保を図ってまいります。
最後にその他としまして、
災害に強いまちづくり、人づくりについてですが、平成25年度から4年計画で避難所や広域避難場所への防災倉庫の設置と備蓄品の充実に努めており、最終年となる平成28年度は3箇所に倉庫の設置を予定しています。
また、新体育館の供用開始に伴い体育館内倉庫への備蓄を進め、災害拠点施設として防災機能の充実を図ります。
内田防災公園の整備をはじめとする防災公園街区整備事業についてですが、平成30年度の供用開始に向け、平成28年度は、都市再生機構から駐車場用地の買戻しを進めるとともに、内田防災公園、多目的広場の整備に着手してまいります。また、アクセス道路については引き続き整備を進め、平成28年度末には供用開始していく予定です。
また、防災対策の一つとして市内の農業用ため池のうち対策が必要と判断された池を県事業において順次耐震対策を進めてまいります。
消防行政では、様々な災害に対応できるよう資機材の充実を図るとともに、消防職員の専門的な教育を行い、資質向上に努めてまいります。また、消防施設等の充実のため、消防署北出張所を内田防災公園内に移築をする準備を進めていきます。平成30年度中の運用開始を目指し、平成28年度は造成の設計や建物の基本・実施設計を行ってまいります。
消防通信指令の共同化では、犬山市、江南市、小牧市、岩倉市、丹羽広域事務組合(扶桑町、大口町)、西春日井広域事務組合(清須市、北名古屋市、豊山町)の6消防本部での共同運用が4月1日から始まります。スケールメリットを活かしたより効率的な消防通信指令の運用を図ってまいります。
交通安全に関しては、特にカーブミラーについて、より多くのご要望に応えるため、平成28年度では当初予算を拡充し、設置を推進してまいります。
また、防犯については、新たに駐輪場への防犯カメラの設置に取り組むとともに、防犯カメラ設置費補助制度を継続し、地域と連携しながらより一層犯罪のない安全安心なまちづくりに取り組みます。
公園管理については、特に遊具の安全点検を強化するとともに公園施設のバリアフリー化を推進いたします。街路灯については、防犯上の観点からも地元の要望に対応して引き続き、LED灯の設置をしてまいります。
消費者行政につきましては、平成28年4月から犬山市消費生活センターを開設し、相談日を週2日から4日に拡充いたします。今後も引き続き市民の安心・安全のため、相談体制の充実・強化に取り組んでまいります。
コミュニティバスの運行につきましては、平成25年11月の新運行から5年目にあたる平成30年を見据え、平成28年度では、市民ニーズの把握と課題の整理、運行内容と費用対効果等を検証し、犬山にふさわしい運行形態のあり方について、あらゆる選択肢を研究し、将来の方向性を検討してまいります。
7月に実施予定の参議院議員通常選挙からは、公職選挙法の改正により、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられます。この機会を捉えて、先進地を参考に「(仮称)選挙みらい通帳」を作成し、新たに有権者となる方々へ配布することで、政治参加への関心を高めるとともに、投票行動に結びつけるための取り組みとして進めてまいります。
水道事業については、市内に張り巡らされた水道管について、耐震化を図りながら、布設替工事を継続的に実施してまいります。
また、浄配水施設については、経過年数などに応じて、改良、修繕などを実施し、施設の長寿命化を図ってまいります。公共下水道事業について、平成28年度は、第2名犬ハイツ地区及び白帝団地地区の整備を進めてまいります。
次に、下水道総合地震対策計画に基づき、犬山北小学校にマンホールトイレシステムの設置や、緊急輸送路に埋設されている汚水管きょに可とう継手を設置する耐震工事も昨年度に引き続き進めてまいります。
また、人孔蓋長寿命化計画による人孔蓋の取替も、引き続き長者町団地地区にて進めてまいります。
下水道事業については、平成31年度から公営企業会計の適用を目指し、平成28年度より計画的に移行準備を進めてまいります。
終わりに
以上、平成28年度の予算規模、並びに施政に臨む私の施策について述べてまいりました。
市の将来を見据え、様々な施策や事業を展開していく上で、特に今の犬山市政には、既成概念にとらわれず、事なかれ主義から脱却し、柔軟な発想と創造性が求められます。こうした感覚を市役所の組織風土に根付かせるためにも、思考と行動に積極的な姿勢を持ち、チーム力を発揮できる組織体へと進化させていくことが不可欠です。
こうした点を踏まえ、この4月からは、市民の皆さんへのわかりやすさ、機能性、効率性をコンセプトに、市役所機構を改めさせていただきます。また、「全体の奉仕者のプロとして 豊かで信頼できる社会を創造するために考動しよう」との経営理念、「当たり前のことを当たり前にこなし 当たり前以上の仕事につなげよう」との経営方針に基づき、職員実践13カ条を示し、職員の意識改革を並行して進めているところです。この改革の方向性について、私自身の努力も含め、職員とも丁寧に向き合いながら相互理解を深め、これを職員研修や人事評価における基本行動の評価などの人材育成あるいは、採用方針の中でも共通の「ものさし」として活用しながら、市の将来のため、市民の皆さんのために、市役所が一丸となって実践できるよう、地道に取り組んでまいります。
新市政スタートからの1年を踏まえ、この平成28年度からはさらに山田カラーを鮮明にし、『産業が栄え 幸福が実感できる犬山』を目指して着実に前進できるよう、全力で頑張ってまいります。
議員各位をはじめ、市民の皆さんのご理解ご協力を重ねてお願い申し上げ、私の施政方針とさせていただきます。
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